産業財産権Q&A

Q37

中国における特許出願の件数が日本を抜いて世界2位になったとの新聞記事を読みましたが、中国の特許出願等の件数はどのような状況なのでしょうか?

A

 2010年の中国の特許出願は39万1千件で、前年より24.3%増加し、日本を抜いて世界2位になった。日本は前年より1.19%減って34万4千件で3位に後退した。1位はアメリカで前年より7.5%増えて49万件であった。
 中国の特許出願が増加した背景には急速な経済発展、そして知的財産権に対する認識の高まりがあると思われる。中国というと海外製品の模倣という印象が強いが、自らの知的財産権を護るという意識を持つようになったのではないかと考える。
 2005年の中国における特許出願は17万3千件で、ここ5年で約2.3倍の伸びとなっている。更に2005年の実用新案登録出願が13万9千件、意匠登録出願が16万3千件、商標登録出願が66万4千件、2010年の実用新案登録出願が41万件、意匠登録出願が42万1千件、商標登録出願が107万2千件であり、驚異的な伸びを示している。特に商標登録出願の件数は日本の出願件数の約10倍であり、世界でも桁違いの数となっている。
 更に、特許出願等の急速な増加に伴い、侵害事件も増えているので、日本企業が中国に進出する場合、自社製品を模倣されることに関する対策だけでなく、自社製品が中国企業を含めた他社の特許権等を侵害しないように注意する必要がある。すなわち日本企業が中国に進出する場合は、中国における特許権等に関する調査、出願を検討することが必要だ。