産業財産権Q&A

Q61

あるセミナーでマーケティングと知的財産権は密接に関係するという話を聞きましたが、具体的にはどのようなことを指すのでしょうか。

A

 例えば、次のようなことが挙げられる。

 マーケティングは顧客を中心とする「4つのP」によって構成されている。4つのPとは図に示すProduct(製品)、Place(場所)、Price(価格)、Promotion(販売促進)をいう。

マーケティングの4つのP Product(製品)が腕時計であると仮定して、その腕時計に新規な技術があれば、特許や実用新案登録の対象になる可能性があり、更に斬新なデザインが施されていれば意匠登録の対象となり得ると思われる。
 Product(製品)に特許権等があれば、価格競争に巻き込まれることなく利益の出るPrice(価格)を設定できることになる。また、腕時計が新規な技術と斬新なデザインを備えることで高級品として位置付けることができるものであれば、Place(場所)に関連して高級宝飾店で販売すべきものということになると思われる。更に、Promotion(販売促進)に関連して商標は高級腕時計に相応しいネーミングにすべきであり、このネーミングについては商標権を取得することになる。

 このようにマーケティングと知的財産権を一体的に活用できればビジネスの強力な武器になる。

 

知って得する 特許・商標の知識 vol.36 (平成30年10月)