産業財産権Q&A

Q13

部分意匠という言葉を聞いたのですが、意匠が物品の一部分でも登録が認められるのでしょうか?

A

 部分意匠は平成10年から採用されている制度で、物品の一部分について意匠登録を認めるというものだ。意匠登録出願は物品のデザインを保護するためのもの で、原則として物品全体の六面図(正面図、背面図、左側面図、右側面図、平面図、底面図)の提出が必要である。特許庁では提出された図面等をもとに過去に おいて同じようなデザインが公知になっていないか、先願で同じようなデザインのものがないか等を審査して意匠権を与えている。そして、登録意匠と同一また は類似する意匠を他人が実施した場合は意匠権の侵害となる。

 ところが、登録意匠の一部分だけを模倣した(一部分だけが似た)物品を製造、販売した場合に意匠全体としては非類似になってしまうことがある。

 これでは意匠権者を十分に保護できないことから、部分意匠登録制度が採用された。部分意匠の例としては、ダルマの置物で顔のデザインだけについて意匠登録されたもの、カメラの意匠で鏡筒やレンズのデザインだけについて意匠登録されたもの等がある。
 部分意匠の出願をする場合には、部分意匠として登録を求める部分が分かるように、例えば登録を求める部分を実線で、他の部分を破線で表した図面の提出が必要である。