産業財産権Q&A

Q25

Q24で説明した以外に改正法の内容はどのようなものなのでしょうか?

A

(1)通常実施権、仮通常実施権に係る登録事項の開示が制限される。 通常実施権を特許庁に登録する場合、実施許諾をする者の氏名、実施許諾を受ける者の氏名、通常実施権の範囲、対価の額等を登録し、この登録内容は対外的に 開示され、第三者が閲覧することが可能な状態となる。このため登録内容からライバル企業にビジネスの動向を察知されるなど、通常実施権者等の利害を害する おそれもあった。そこで、利害関係人にのみ開示する制度を導入した。 なお、専用実施権は、特許権と同様に他人に対して損害賠償等を請求し得る独占排他性を有する権利であり、第三者に与える影響が大きいことから、現行通り登 録内容をすべて開示することとした。

(2)特許の拒絶査定不服審判請求期間が長くなった。 審査において拒絶され、それに不服である場合には拒絶査定不服審判を請求することができる。この審判は審査の上級審に当たるものである。 現行では審判請求できる期間は拒絶査定の謄本の送達の日から30日以内であり、審判を請求する者にとって短く、審判請求をするか否かの判断期間としては不 十分であるという意見があった。そこで、拒絶査定不服審判を請求することができる期間を、拒絶査定の謄本の送達の日から3ヶ月以内とした。

なお、改正法の施行日は決定事項ではないが平成21年4月頃になると思われる。